あらまし
吸血鬼と言えば、貴方は何を思い浮かべるだろうか?
吸血?美形?コウモリ?驚くべき身体能力?それとも苦手なニンニクや十字架、吸血鬼を取り扱った映画や小説もあるかもしれない。
この世界はそんな吸血鬼が統べる国が舞台だ。
かつてこの世の半分は吸血鬼だった。しかし地殻変動、氷河期、人間の進出などの外部の理由により、徐々に頭数を減らしていく…。
そこで吸血鬼の種族の繁栄・生き残りを他の種と交わることを決めたのが、今の混血だ。
そして吸血鬼であるということを貫いたのが現在の純血と呼ばれるようになる。
その後、混血は頭数が増えたが、血が薄まりすぎたことにより「吸血鬼としての能力の低下」が訪れる。
純血は能力はかつてと変わらないものの、頭数は依然減っていた。
次第に混血からは「吸血鬼としての栄華をもう一度!」純血からは「吸血鬼がこのままでは絶えてしまう!」という声が挙がった。
しかし混血と純血との溝は深く、お互い「前進しようとしない臆病者」「吸血鬼としての誇りを失った愚か者」という認識が強かった。
そこで出来たのが『聖アラウダ学園』…混血と純血の吸血鬼が通う学園である。
国の偉い人が一生懸命考え混血と純血との溝を埋めようと思って設立されたのだが、設立されて数百、数千年…未だに溝が埋まっていないのだった。